マチャード「海から海へと」

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 海から海へと
                 アントニオ・マチャード

海から海へと わたしたち二人のあいだを
海より深い戦争がへだてている わたしは
この地から 海をふさいでる地平線を見やる
ギオマールよ(*1) きみは地の果て(*2)から見る

もうひとつの海を カモエンに歌われ
くら闇に閉ざされた スペインの海を
伴侶(とも)よ わたしの不在はきっときみを離れないだろう
わたしの方は きみの思い出にこころが痛む

戦争はわたしたちの愛に致命的な打撃を与えた
燃えさかる戦火の 不毛の影とともに
いまや 大いなる死の不安が蔽いかぶさる

老いらくの恋が夢みた蜜も むなしく消え
冷たい斧の刃の 痛みの走った木の枝に
花が咲くことは とうていかなわぬだろう

訳注*1 ギオマール──本名ピラル・ヴァルデラーマ。一九二八年頃からマチャードが愛の手紙を書き送っていた恋人。
  *2 地の果──その頃、ギオマールはポルトガルのロカ岬に住んでいたことを暗示している。「海から海へ」は、したがって地中海と太平洋を意味する。

(『マチャード/アルベルティ詩集』)

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