パリ・コミューン──七一年の銃殺された人たちに

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 ポティエ、クレマン、シャトレェンなどの詩人たちは、「血の週間」のあと、友人たちのところに安全な隠れ家を見つけて、身をかくした。そして、数ヵ月もつづくその地下生活のなかで、敗北からくる絶望感や虐殺にたいする嫌悪・恐怖を克服しながら、かれらはなおも復讐への呼びかけと希望の歌を書きつづけたのである。

    七一年の銃殺された人たちに
      (デュポンの『百姓の歌』の曲で)
                          ジャン・バティスト・クレマン
   うろつく密偵や 憲兵どものほか
   街通りに 見えるものとては
   涙にくれる哀れな年寄りと 後家さんと
   親を失くした みなし児ばかり
   パリは 悲惨に 呻きをあげる
   運よく助かった者さえ 顛えている
   はばをきかすのは 軍法会議だ
   街まちの舗道は 血だらけだ

   前知事の 御用新聞や
   腐った奴らに ぺてん師ども
   どさくさまぎれの 成金たち
   勲章さげた奴に おべっか使い
   街角の兄いや きんちゃく切り
   あばずれ女の 情夫たちが
   岨虫のように 寄ってたかっている
   コミューン戦士の 屍(かばね)のうえに

   手あたり次第に ひっ捕え
   追い立て 縛り 射(ぶ)ち殺す
   娘をかばった おふくろまで
   年寄りの抱いた 赤ん坊まで
   赤旗の懲罰に とって代わって
   怖ろしいテロを ふるうのは
   淫売窟の ならずものども
   皇帝や王の 下僕 従卒ども

   あしたからは 警察のやつらが
   じぶんの役目を 鼻にかけ
   ピストル 腰にぶらさげて
   わがもの顔に 街をのし歩く
   パンも 職も 武器もない
   このおれたちを 抑えつけるのは
   密偵に 憲兵どもだ
   首斬り役人に 坊主どもだ

 クレマンは、この詩について、つぎのようなノートを書いている。
 「パリで、わたしがかくまわれて、七一年五月二十九日から八月十日までとどまっていた隠れ家で、わたしは毎晩、銃殺する銃声や、逮捕の騒ぎや、泣き叫ぶ女子供の声を聞いた。勝ちほこった反動が、皆殺し作戦を続行していたのである。その音を聞いて、わたしは、長い戦闘の日々に覚えたよりも遥かに深い怒りと苦悩を味わった……」

<『パリ・コミューンの詩人たち』──血の週間>

亀


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