明日もまた日は昇る
大島博光
明日もまた日は昇る
そう詩人は死の時を想いながらも
よみがえりを願い 希望を託した
明日もまた日は昇る
人びとは高い山の頂上で ご来光を迎え
海に沈む太陽の荘厳に手を合わせた
明日もまた日は昇る
人びとは生まれ変わりを祈り
そうして明日の日を夢みる
何十億年 何百億年
人間の尺度では 永遠に
日はまた昇るだろう
だが核戦争や自然破壊や汚染で
もしも この地球が死んでしまったら
この地球に人類がいなくなったら
それでも日はまた昇るだろう
だが太陽を神とするものはもういないだろう
だが太陽を賛えうたう詩人はもういないだろう
それでも日はまた昇るだろう
人類のいなくなった地球のうえにも
廃墟となった死の地球のうえにも
そんな風にならないように
太陽のすばらしさ暖かさに
人類が歓声をあげて生き永らえるように
一九九一年四月
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