森の歌

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森の歌
                      大島博光

きみの植えてくれた樫の木の
木かげに坐って わたしはうたう

きみは わたしの荒地に木を植えた
泉を掘って 森をそだてた

きみは せっせと根をうるおした
木木は根を張り 枝を伸ばした

若木は伸びて 若葉が映えた
風はそよいで 五月を告げた

小鳥たちがきて 春をうたった
枝の巣藁に 雛をそだてた

汗を流して きみのそだてた
森は賑やかに 笑いにみちた

木のうえに子らは家をつくった
木に登って わたしは夢みた

水は流れて 季節はめぐる
春も過ぎて 星さえ移る

きみは 遠くへ行ってしまった
わたしはひとり 老いてしまった

いつか冬がきて 森は裸かに
倒れた幹を 落葉がかくす

森に残った井戸の底にも
星は映って またたくだろう

嘆くことはない 冬の日は春に
席をゆずる 枯れ木は若木に

また小鳥たちがきて歌うだろう
森はまたみどりに 賑わうだろう
            一九九五年五月

(パソコン印刷1995)
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