なんという悲しいお手紙を

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島田利夫


島田利夫

島田利夫


なんという悲しいお手紙をいただいとものでしょう。おどろきと痛恨と。わたしはあの翌日、正午まで、利夫君の元気な顔が見られはしないかと待っていました。正午になっても見えないので、何か忙しいのだらうから、この次の機会に、と思って、午後の汽車で帰ってきました。そのとき、利夫君はもうわれわれの世界から去っていたとは!

 ひまわりのような若ものに 忽ち
 経帷子をきせる悲しみより 深いものは何もない

わたしは利夫君と久しぶりに詩の話などできると期待しながら前橋に行ったのに、もうその夢はなくなってしまった。しかし、思えば、たとえ偶然とはいえ、利夫君の死の時刻に、わたしが彼に会いたいとねがっていたとは、なんということでしょう。ーー利夫君にもう一ど詩を書いてもらいたい、あの利根川のような歌をかいてほしいというねがいも、消えてしまいました。
ほんとうに、春秋に富んだすぐれた同志を失ってしまいました。あなたの悲しみはまた いっそう深いでしょうが、もう 彼の霊のためにも、わたしたちは前進するよりほかはない、そういう気もちでいっぱいです。

 同封のもの ほんのこころざしですが、
 ご霊前に お供えいただければしあわせです。
                       大島博光
島田誠三様
   八月三十一日
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