チリでクーデターの犠牲者が名誉回復──緒方さん講演『激動の世界情勢と平和の共同体』

ここでは、「チリでクーデターの犠牲者が名誉回復──緒方さん講演『激動の世界情勢と平和の共同体』」 に関する記事を紹介しています。
 今年2月7日、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会が開催した緒方靖夫さんの講演会『激動の世界情勢と平和の共同体──ASEANとCELACを中心に──』で、今年1月にチリを訪問した緒方さんが、チリではピノチェトのクーデターが否定されて大統領府の展示からピノチェトは外されていること、犠牲者の名誉が回復していることを話されました。
 緒方さん(日本共産党副委員長・国際委員会責任者)は1月1日のブラジル大統領就任式に招かれて出席し、その後チリを訪問したのです。「アジア・アフリカ・ラテンアメリカ」千葉県AALA版 に講演内容が掲載されていますので、チリ訪問の部分を紹介します。

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チリで感動の出会い

(1)クーデターの犠牲者に名誉回復と補償

 その後、隣国のチリを訪問しました。
 1973年に、アジェンデ政権を打倒するクーデターが起きました。人口900万人の国で、虐殺もふくめ3万人が弾圧され、25万人以上が亡命しました。このピノチェットの統治は、国民の選挙による審判を一度も受けないで、1990年まで17年間続きました。
 しかし、民政移管後、正当に選挙されたアジェンデ政権を倒したことは憲法上許されないと、社会的に審判が下っています。与党として人民連合政府を支えた人々、チリ共産党をはじめ大きな犠牲を払った人々の名誉が見事に回復されています。
 さらに、弾圧犠牲者には、名誉回復だけではなく、具体的に補償として年金が支払われています。
 1990年の民政移管後、軍政下の人権侵害・弾圧調査が始まり、92年に補償法が作られました。内務省に国家補償和解公社が作られ、犠牲者の直系家族──親、配偶者、24歳未満の子どもに対して一律月300ドルの年金が支払われています。また、子どもは奨学金を受け、兵役義務の免除、専門医療の受診の権利、障害のある子どもは一生年金を受給できます。2004年には年金が改正され増額されました。正義のたたかいに決着をつけ、その補償を勝ち取っているのです。

(2)否定されたクーデタ一

 大統領府には、歴代の大統領の顔のメダルの展示がありましたが、アジェンデの横は空白であり、ピノチェットのメダルはありません。また、大統領府の前にアジェンデの大きな銅像はありますが、ピノチェットのものはありません。
 また、政府が作った「記憶・人権博物館」の展示は見事で、クーデタ一がいかに非合法で卑劣なものか、アジェンデ大統領がいかに命をかけて闘ったかがわかるものとなっています。ピノチェットの行動は、否定されています。この博物館には、国際連帯のコーナーに、日本のチリ連帯のポスターも展示されていました。
 バチェレ大統領は、ピノチェットとたたかって弾圧された政治家の娘ですし、上院議長はアジェンデの娘三人の内の一人というように、チリは今、そういう政治状況になっています。
 なお、チリ映画「NO」(2012年)は、独裁政権下、ひとりの広告マンが立ち上がり、歴史を大きく変えた実話に基づくもので、是非見ていただきたいと患います。
(日本AALA連帯委員会機関紙「アジア・アフリカ・ラテンアメリカ」千葉県AALA版 No74 2015年4月)

緒方靖夫
緒方靖夫さん(2014.11.24)
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