コミューンにささげる

ここでは、「コミューンにささげる」 に関する記事を紹介しています。

 クロヴィス・ユグもまたつぎのような詩をコミューにささげている。

コミューンにささげる


(新日本新書『パリ・コミューンの詩人たち』)

パリ・コミューン

 コミューンにささげる
                    クロヴィス・ユグ

「おお コミューンよ おまえがやって来た時
まさにフランスは 息も絶えだえだった
ずるがしこくて 倣慢な 三百代言や
利権漁りで肥(ふと)った奴らに ゆだねられて──
ブルジョアどもは 侮辱まで利用した
大臣どもは叫んだ 『うごめく奴は撃ち殺せ』
ヴェルサイユ軍は笑った 『この売女(ばいた)め』
おまえは恥ずかしさに顔を赤らめて泣いた
おお おまえ 赤い 偉大な 処女よ

「おお コミューンよ おまえは立ち上るや否や
おまえは やつらの将軍どもに向けて
その血が 泉の水ほどの値打もない
あのすべての餞民たちの仇を討った
おまえの瞳の中にほのぼのと明けてきたのは
人間権利の 荘厳な 夜明けだった
人民は おまえの翼の下に 抱かれた
おまえはただ 王公たちと戦ったのだ
おお おまえ すべての人びとの祖国よ!

「コミューンよ おまえは呼びかけた
『もう にがい涙などは流すな 立ち上れ
そうして王座についてる 聖なる怪獣(シメール)に
光をあてて 白日の下にあばき出そう!』
おお おまえは追放されても夢みた
悪がほろびさり 憎しみが消えさり
人類が 豊かになるような世の中を
おお おまえ 『理想』の落穂拾いよ!

「他人の白いパンをくらう 強盗どもが
おまえをやっつけ おまえの使徒たちを
うちのめそうと またしても立ち上った
やつらが おまえを壁ぎわに追いつめた時
あの一寸法師(1)は からからと笑った
やつらは おまえをねらって 撃った
熟れた麦畑の中の 雀の群を撃つように
おお おまえ 栄光にみちた 殉難者よ

「おお コミューンよ 青い空が
岸べに口づけする波に 笑いかけた
おまえはまだ すこしばかり息をしていた
おまえは 生石灰のなかに埋められた
風はふたたび 土手に芽生えたが
おまえのお供は恐怖で散りぢりになった
風が おまえの扉をたたいたときには
もう答えるものは だれもいなかった
おお おまえはおれたちのために死んだのだ!

「いや いや おまえは死にはしない
古い世界を 根こそぎにするために
おれたちはおまえの名を叫び告げるばかりだ
唸りをあげて怒りどよめいている 群衆の耳に
さあ 飲んで 歌って 愛を語るがいい!
人民は淵のように飢えて 舞台は動く
運命はかならず 成就するだろう
人民の出番はきっと やってくるだろう
明日の日よ 来たれ! 正義よ 来たれ!」


(1)一寸法師──ティエールを指す。

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