新しき愛の天体

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新しき愛の天体
                          大島博光

涸れた夜から夜へ
君は濡れた星に眼覚めてゐた

しかも君の眼は地球を映してゐた
愛と憎悪の両半球を

君の熟ある呼吸は私を呼びさまし
君の燃える皮膚は私を温めた

しかも君の唇と私の唇の間
悪夢は針金のように縛ってゐた

喰ひしばった歯の間
君の愛は吃った

しかめた頼の皺の中に
君の言葉はかくされた

君の震え声は太陽を呼んだ
すべての地平線の夜の中に

君の震える手は星を指さした
すべての空の夜の中に

君の影 それは女の顔であるのか
君の影 それは真理の顔であるのか

君の踏みにじられた影の上
私の鋏のごとき腕を挙げる

君の截られたアキレスの上
私は旗のごとく立ち上る

(『新領土詩集』1941年)

夜

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