冬のあとには春がくる

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 冬のあとには春がくる
                       大島博光

オルフェウスの嘆きは 泣き倦きた
フクロオの夜の歌は 歌い倦きた
吹雪と雪崩の 季節であろうと
春を夢みて なぜわるかろう

ペてん師どもが 世界じゅうを
ペてんにかけて だまくらかそうと
虚偽不正は すぐあばかれる
ロス暴動となって 噴きあがる

自由を戦車で ひき殺そうと
夢を泥靴で 踏みにじろうと
猿ぐつわや 機関銃のあとには
怒りのうねりが やってくる

雪のしたの 黒い腐葉土が
春の赤芽の 支度をする
死のあとには きっと生がくる
冬のあとには きっと春がくる

わたしは 希望にしがみつく
岩に手をかけた 山男のように
手を離せば 滑落するのだ
深い谷底へ 絶望のどん底へ

わたしが春に 辿りつけなくとも
なお 夢みることはゆるされよう
わたしは見る 暗い井戸の底に
なおも映る あの青空を

        一九九二年五月

(『狼煙』第七号 1992年6月)

のろし
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