戦争の古傷
大島博光
五〇年後のいまも戦争の古傷が叫びをあげる
アジアのいたるところから噴きあがってくる
娘たちが故国の野から町から狩り出された
戦場の野獣どもの檻のなかに投げこまれた
娘たちは人間そのものを犯され踏みにじられる
とり返しようのないものが汚され奪いとられる
娘たちは老女となって痛み恨みの声を震わせる
五〇年後のいまもなお血の叫びを投げつける
狼どもは言を左右にしてとり合おうとしない
狼どもが忘れようと 踏みにじられた羊は忘れない
侵略戦争を呪う声がだれの耳にも聞こえてくる
アジアのいたるところから湧きあがってくる
(大島博光詩集1995-2003)
大島博光
五〇年後のいまも戦争の古傷が叫びをあげる
アジアのいたるところから噴きあがってくる
娘たちが故国の野から町から狩り出された
戦場の野獣どもの檻のなかに投げこまれた
娘たちは人間そのものを犯され踏みにじられる
とり返しようのないものが汚され奪いとられる
娘たちは老女となって痛み恨みの声を震わせる
五〇年後のいまもなお血の叫びを投げつける
狼どもは言を左右にしてとり合おうとしない
狼どもが忘れようと 踏みにじられた羊は忘れない
侵略戦争を呪う声がだれの耳にも聞こえてくる
アジアのいたるところから湧きあがってくる
(大島博光詩集1995-2003)
- 関連記事
-
-
アジアは見た ──「五〇年後」 2017/09/21
-
三好十郎「山東へやった手紙」について 2015/09/03
-
一九四〇年の若者たち 2015/06/11
-
ペテン師ども 2015/05/21
-
戦争の古傷 2015/03/02
-
この記事のトラックバックURL
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/tb.php/2456-a46d27d5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック