大野英子さんにインタビュー(9)国家機密法が出てから忙しくなった

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(9)国家機密法が出てから忙しくなった

同人誌にのっていた兄ちゃんの詩。

 無題
桜よ桜
なげくでない
桜は地に咲く花にして
天皇の為散る花でなし

 無題
幾億の人類の
敗残する姿
ああ 我もまた
亡びゆく民族の中の一人

「桜花 何の罪咎あらねども」兄の遺言読む曇り日の午後

真理言うと 人嘲笑(わら)うと兄の言葉 事の探さを戦後に思う

横浜事件裁判の記事ひしと読む 名も無き兄ら消されたるまま

マイク握り昭和の悪をアジりたり 天皇葬儀前日の午後
                
兄逝きし霧積山にぬかずけば蓮花升麻(れんげしょうま)の花俯きて咲く


 底辺に生きる者の視線の先に見えたもの、それは敗戦国日本の姿だったのでしょう。
 ボロを引きずり焼け跡をさまよう人たち。
 路上にあふれた戦災孤児の飢えた姿。
 国は天皇陛下の御為(おんため)では無いと見捨てました。
 あの無謀(むぼう)な戦争の果てにあるもの。
 見えたが為に命を失ったのでした。
 私の兄ちゃんは、
 革命家でも思想家でも、指導者でもありません。ただの貧しい労働者でした。

(『続・九十歳のつぶやき』──私の見た治安維持法)

 昭和8年が多喜二虐殺のときで、10年がこれですからね。それからもっとひどくなったというが、そのあとの治安維持法のことは全然わからないけどね。
 国家機密法が出なければね、まさか治安維持法のこと喋ってくれなんていう話は出なかったでしょうね。


<国家機密法が出てからですか?>

 国家機密法が出てから急に忙しくなった。埼玉にも治安維持法被害者同盟があるんです。そこの会員なんですけど、そこでお歴々が「治安維持法で多喜二やなんか幾人か目立つ人をやっちまえばよかった、だから庶民には関係なかった」という発言があったんです。そしたら、いきなり、大野さん前に出て発言して、と事務局の人に言われた。「無名であっても殺された人がたくさんいる、私の兄もその一人だ」と兄のことを話しました。それからものすごく忙しくなったんです。

桜
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