パリのダダ──怒れる若者たち(上)

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パリのダダ──怒れる若者たち

 さて戦争中、短い休暇のあいだ、三人の若者たち、アラゴン、ブルトン、スーポーは新しい雑誌を出す計画をたてる。雑誌は「文学」という名で、その創刊号が現われたとき、アラゴンはまだ戦線からもどっていなかった。アラゴンもそこに詩を発表し、それはのちに詩集『かがり火』に収められる。
 一九一九年六月、アラゴンが動員解除となって、戦争から帰ってきたとき、ブルトンはスーポーと協力して書いた『磁場』の原稿をアラゴンに見せにきた。それは自動記述法によって書かれた最初の作品であり、ここにシュールレアリスムが始まったのだ。その名前はまだ存在していなかったが。
 「……ブルトンとスーポーは書く(エクリチュール)ことの速さによって、意識の(検閲)を廃止しようとしながら、こうして覚醒状態において〈口述された〉文章を再現しようとした。ものを書く手は、こうして精神が思考するよりも速く作り出す。そしてこんどはエリュアールとわたしがその流儀で書こうとした……シュールレアリスムという言葉は、われわれにとってただこの意味だけをもっていた。その頃われわれは、その後自動記述法とよばれるものを意味するためにのみ(シュールレアリスム)という言葉を用いていた……」(『アラゴンは語る』)

  一日の終り頃 われわれは三人か四人で坐りこんで
  物たちをつくり出すために 音を組み合わせていた
  のべつまくなしにメタモルフォズをおこないながら
  そして奇妙な動物たちを浮かびあがらせるのだった
  なぜなら われらの一人は す速く言葉を捕える狼の罠を発明したから
                          (『未完の物語』)

 「三人か四人で……」というのは、そこにすでにエリュアールが参加していたのだ。
(つづく)

<新日本新書『アラゴン』>

アラゴン
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