きみは恋人をなくして

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きみは恋人をなくして


きみは恋人をなくして泣き暮れる
太陽をなくしたように泣き崩れる
母のないみなし子のように泣き寝入る

恋びとをなくしてきみはすすり泣く
涙をあたりにまき散らして泣きわめく
穴に落っこちた獣のように泣き呻めく

きみには落ちた穴の壁しか見えない
その穴のうろのうつろしか見えない
消えうせた春のバラしか見えない

きみはもうおのれの影しか歌わない
広い空を太陽を大地を春を歌わない
あけぼのを風を小鳥たちを歌わない

さあ湿った穴倉から這い出したまえ
ちっぽけな涙の壷からぬけ出したまえ
外に出てひろい地平を見いだしたまえ

愛する妻ニューシュをうしなった
エリュアールは絶望のなかで歌った         
ひとりの地平から万人(みんな)の地平へと

(詩集『老いたるオルフェの歌』)

海
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