映画「シャトーブリアンからの手紙」──レジスタンス下の史実を描く

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『レジスタンスと詩人たち』にでてくる「シャトーブリアンの大量処刑」の映画化。
フランスでは、17歳の少年ギィ・モケが犠牲になったことで有名。

シャトーブリアン郡のショワゼル収容所。占領批判のビラを配って逮捕されたギィ・モケは女子収容所にいる少女オデットに恋をしていた。杭の隙間からキスを求めるモケの唇に少女はたばこをさすのだった。
大学生のクロード・ラレは22日に釈放ときまり、会いに来た若い妻と熱い抱擁。
ところが10月20日、近くの街ナントで1人のドイツ将校が暗殺される。ヒトラーは報復として、人質のフランス人150名の命を要求した。
10月21日出来上がった27名のリストには、収容所で最も若いギィ、明日には釈放されるはずのクロード、リーダー格のタンボーらの名前があった。

10月22日、収容所では突然昼食が中止になり、名前を読み上げられた27人が6号棟に集められた。「君たちは1時間後に銃殺される、家族への手紙を預かる」と副知事に通告され、手紙を書く時間をあたえられた。
ギィ・モケはのちに有名になった手紙を書く。
大切なお母さん、大好きな弟、愛するお父さん、
僕はもうすぐ死にます!お母さん、気を確かにもって。僕は大丈夫、僕の前に殺された皆と同じように毅然としていたいと思っています。
……
17歳半、短い人生だけれど、何も後悔していない。皆ともう会えなくなることだけを除いてはね。
僕は、タンタンやミッシェルとも一緒に逝くんだよ。だから、ママン、僕が願っているのは、約束してほしいのは、頑張ってこの悲しみを乗り越えて、立ち直ってほしいということだよ。

最後に、生きていく皆には、いい世の中をつくって欲しい。死を迎える僕ら27人に恥ずかしくない生き方をしてほしい。


クロードは妻とも面会を10分だけ許された。ギィ・モケはトラックに乗る間際にオデットへ短い手紙を書いた。
2台のトラックに乗せられて出発する17人をラ・マルセイエーズを歌って送る仲間たち。泣きながらトラックを追うクロードの妻。
広い砂採り場には丸太の棒杭が9本立てられ、処刑は3つのグループに分けて行われた。
受刑者は眼かくしを拒否して堂々と最後をむかえた。インターナショナルを歌い、叫んだ。『プロレタリア万歳!共産党万歳!』そしてタンボーは『ドイツ共産党万歳!』兵隊たちの心に思い出として残らずにはいない途方もない叫びだった。
最後は静かな海辺にオデットの声。私の大切なギィ。皆の死は無駄じゃない。夜明けの海は眠っている。でもきっと、変わる時がくる。

実際、この事件をきっかけに、ドイツが恐れていたフランス人民の抵抗運動=レジスタンスが広がることとなる。
処刑場の様子は『殉難者たちの証言』(アラゴン編)によってフランス中に伝わり、人びとの憤激を高めた。

(映画取材でオデットに会ったフォルカー・シュレンドルフ監督のインタビュー)
彼女は87歳になっていましたが、記憶もしっかりしていて当時のことを生き生きと語ってくれました。そして、ギィ・モケが彼女に渡した手紙も持っていたのです。彼女は今も活動的な共産党員で世界革命を信じていました。今でも学校を訪門しては、若い人たちを前にしてドイツ占領期におけるフランスの状況について語る歴史の証人として活躍しています。(映画パンフレット)

2012年 フランス・ドイツ合作 原題 LA MER À L'AUBE(夜明けの海)
監督: フォルカー・シュレンドルフ(ドイツ)

シャトーブリアン
シャトーブリアン

*渋谷の「イメージフォーラム」で12月12日まで上映中
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