アラゴン「フランスの歌」

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 フランスの歌     ルイ・アラゴン

わが大いなる都(まち)に またわたしは帰ってゆこう
そこにも 毎日それぞれの空模様があるだろう

空はいつものように 優しく晴れているだろう
だが 道ゆく人びとは つんぼのような顔をしているだろう

もしも一台のオルガンももう泣かないのなら
もしも鳩たちの鉛が ずっしりと重くなるのなら

どんな黒い秘密が あのざわめきをひき起すのだろう
なんと長い夜よるがもう愛をささやかないことだろう

なんという静けさだろう 自分の心臓の音がきこえるようだ
まるで中庭で歌をうたって もの乞いする男のように

いったいだれが 辻辻(つじつじ)にかかげたのだろう
異国の運転手のために 異国の言葉など

はじける砲火が 都(まち)の高みを 花と飾り
虚偽 欺瞞が わが「塔」に 住みつく

不幸な時代の いつわりの道化師は
熊の穴のなかで 手品をするふりをする

またあの いかきま師どもは バターの手をしていて
太鼓が鳴ると その手から弾丸(たま)が落っこちる

わたしは泥棒を見つけた だが どこにいるのか 救い手は
その勇気のゆえに 永遠に偉大な わが人民は

そこ 大いなる都(まち)に わが人民はいて
夜明けを待たずに立ち上がった.

(『フランスの起床ラッパ』)

フランスの起床ラッパ
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