マチャード「哀歌」

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 哀 歌       アントニオ・マチャード

のどが渇いて やっと流れる水を
見つけたのに 「飲んでも激しい
おれの渇きは 癒されなかった」
と言うものは 不幸なるかな

飲んで 渇きが癒されると
人生を呪うものは 不幸なるかな
ばくち打ちに貸したかねは
ただ 運まかせになるばかり!

この上ない境遇にありながら
ため息をつくものは 不幸なるかな
ピタゴラスの竪琴を手にして
夢想するものは 不幸なるかな

長い道を歩いた後
旅が終わるのを怖れて
立ちどまって 瞑想する
気高い巡礼は 不幸なるかな

音楽気ちがいの ちゃちな
オペレッタのような心でもって
泣きながら 自らを慰める
憂鬱病は 不幸なるかな

晴れた夜 たとえ 恋の
病から 癒えるとしても
ひと目につかない 庭の奥で
夢みた 楽園のなかで

慎重な こころづもりに
みちみちた夢想のなかで
苦しみもなく 泣き 歌う
われらの鶯は 不幸なるかな

月から 落っこちる人たち
月へ 飛んでゆく人たち
月の光に ぐるぐる廻る
恋の男は 不幸なるかな

垂れた枝の果実(このみ)に
手のとどかなかったものは──
また 果実を噛んでその苦(にが)さを
味わったものは 不幸なるかな

そうして われらの初恋は
けなされた その誠実は
そうしてまた われらの恋びとの
ほんとうの愛人は 不幸なるかな

(『マチャード/アルベルティ詩集』)

赤いバラ

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