6 ネルーダとアラゴン(上)

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6 ネルーダとアラゴン

 荒れ狂うファシズムの嵐をまのあたりに見て、スペインの詩人たちとともに、怒りの声をあげ、たたかいの詩をかきはじめたチリの詩人がいた。──パブロ・ネルーダである。ちょうどその頃、総領事としてマドリードに駐在していたネルーダは、しばしば引用される有名な詩「そのわけを話そう」をかいた。

 悪党どもは 飛行機に乗り モール人をひき連れ
 悪党どもは 指輪をはめ 公爵夫人たちを連れ
 悪党どもは 祝福をたれる黒衣の坊主どもを従え
 悪党どもは 空の高みからやってきて 子供たちを殺した
 街じゅうに子供たちの血が
 子供の血として 素朴に流れた

 きみたちは尋ねる──なぜ わたしの詩が
 夢や木の葉をうたわないのか
 故国の大きな火山をうたわないのかと

 来て見てくれ 街街に流れてる血を
 来て見てくれ
 街街に流れてる血を
 来て見てくれ 街街に流れてる
 この血を!
                   (角川書店『ネルーダ詩集』三六ページ)

 ファシストに痛罵をあびせ、英雄的なスペイン人民、義勇兵たちをたたえたネルーダの詩はやがて、『心のなかのスペイン』にまとめられて、一九三八年、人民戦線の兵士たちの手によって出版された。一九三八年八月、この詩集はさっそくアラゴンとルイ・パローの共訳によってフランスに紹介され、ひろく愛読された。
 これらのスペインの抵抗詩は、やがて始まるフランスの抵抗詩にとって、その前ぶれとなり先例となり、多くの影響をあたえずにはいなかったであろう。
(つづく)

<『レジスタンスと詩人たち』白石書店 1981年>
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