ジャン・カッスーの獄中詩(5)23番目のソネット

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ソネット23


 さらに二三番めのソネットでは、詩人は独房のなかでも「祭りの朝がついにやってくるように」と希望への突破口を夢みる。

 「さくらんぼの熟れる頃」は一八七一年のパリ・コミューヌの頃に流行(はや)ったシャンソンの題名で、作者はジャン・バティスト・クレマンである。ここでは、パリ・コミューヌの敗北に民主勢力の敗北を重ねて、その苦(にが)い思い出を「心に秘めた傷口」と歌っているのである。
 のちに、一九七三年、カッスーは語る。
 「……それらのソネットを書いたとき、わたしはけっして作家として書いたのではなかった。わたしはつねに、自分を作家というよりはむしろ、レジスタンスの一兵士だと思っていた……」
 「三三のソネット」は、カッスーの秘かな独白のように難解であり、晦渋ではあるが、みごとな芸術的表現という手段による知的抵抗の所産であったことは疑いない。
(この項おわり)

<『レジスタンスと詩人たち』>
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