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アラゴン「詩人からその党へ」

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 詩人からその党へ
                    ルイ・アラゴン 大島博光訳

わたしの党は わたしの眼と記憶をひらいてくれた
わたしの血がこんなに赤く わたしの心はフランス人のものだと
子供が知っていることさえ わたしは何も知らなかった
わたしの知っていたのは ただ 夜は暗いということだった
わたしの党は わたしの 眼と記憶をひらいてくれた

わたしの党は わたしに叙事詩の感覚を教えてくれた
わたしは見る 糸紡ぐジャンヌを 角笛を吹くローランを
ふたたびヴェルコールの森に 英雄たちの時代がやってきた
いちばん素朴な言葉は 剣の音をたてるのだ
わたしの党は わたしに叙事詩の感覚を教えてくれた

わたしの党は わたしにフランスの色を教えてくれた
党よ わたしの党よ その教えを ありがとう
そのときから 怒りも愛も よろこびも苦しみも
すべてが わたしにとっては歌となる
わたしの党は わたしにフランスの色を教えてくれた

(『フランスの起床ラッパ』)


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