ジャックリーヌ・ロックと「カリフォルニー」荘 (2) シルヴェット・ダヴィド

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(2) シルヴェット・ダヴィド

 一九五四年の春、ピカソはヴァローリスの通りで、若い娘シルヴェット・ダヴィドを知り、一連のたのしい肖像画を描いている。彼女は二十歳で、魅惑的な肉体をしていた。しかし彼女にはイギリス人の婚約者がいて、彼女がピカソのアトリエでポーズをとっている間も、彼女につき添っていて、一歩も離れなかった。シルヴェットの挑発的な魅力は、フランソワーズの次の世代にぞくする、新しいタイプの女のものであった。彼女はピカソに青春の秘密を提供し、ピカソはシルヴェットを変形して描く。
 それから十五、六年後、シルヴェットがムージャンを訪れた。ピカソはアトリエから彼女の肖像画を探してきて、彼女のかたわらに置いた。いまや、真のシルヴェットは、この絵の方であった。シルヴェットが去ったあと、ピカソは満足げな、皮肉な微笑をうかべた。──「絵がいちばん強いのだ……」
(つづく)

シルヴェット・ダヴィット

「緑の椅子のシルヴェットの肖像」1954年

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