あの子はいつ来るんだろう?  ──コミューンの前夜 (1)

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あの子はいつ来るんだろう?

    ──コミューンの前夜


 一八七〇年七月、老いぼれのナポレオン三世が、プロイセンに宣戦を布告する……。
 もう十八年来、フランスはペてん師どもの権力に握られていた。第二帝政は、それ以外の名で呼びようがない。そして老いぼれの小ナポレオン(三世)が、フランスを汚職、腐敗、堕落にゆだねていた時、その面前で、神も法も認めぬ非道な敵ビスマルクは、営々と勢力をたくわえていたのだ。
 ビスマルク─この倣慢な土地貴族(ユンカー)は、ドイツ人民と労働者を憎悪していた。しかもかれは、ドイツ人民と労働者を肉弾に使って、大ドイツ帝国を建設しようと夢みていた。こうしてかれは罠を張って機会を待っていた。
 ナポレオン三世は、とりまきの利権漁りの一味や御用商人たちにそそのかされて、このビスマルクの罠にはまって、宣戦を布告する。
 しかし、フランス人民はこの戦争に反対する。一八七〇年七月十五日と十六日の夜、パリの勤労市民は、ナポレオン三世をののしり、「平和万歳!」を叫びながら、戦争反対の大デモンストレーションを決行する。女詩人ルイズ・ミッシェルは、このデモを次のように歌っている。

 「平和を! 平和をまもれ!」と叫びながら
 長いデモ隊の列が 夜の大通り(プールヴアール)を 練(ね)ってゆく
 卑劣な犬どもが じっと狙っている気配がする
 おお 自由よ おまえの時代は来ないのか?

 舗道は デモ隊の杖に叩かれて 鈍くひびく
 悪い奴は 生きながらえようとして
 色褪せた栄光を 血に漬けようというのだ
 フランスが滅びようと 奴は戦いたいというのだ

 悪魔め! おまえの宮殿を通りぬけるデモ隊に
 気づかないのか? 悪夢のなかの幽霊のように
 夜の中をねり歩くデモ隊が 見えないのか?
 おまえに血を啜(すす)られたパリの叫びが聞こえないか?

 屠殺場のなかをよぎる 家畜の群のように
 デモ隊は 奇妙なリズムで拍子をとって進み
 シーザーの悪党は おのれの軍隊をふやし
 フランス人民をやっつけるため 匕首(あいくち)を磨(と)ぐ

 額をうなだれて 死者よりも悲しげな人民よ
 シーザーが 戦闘を 戦争をのぞむからには
 暴君どもにたいして いっしょに戦わねばならぬ
 ボナパルトもヴィルヘルムも 同じ運命をみるだろう
(つづく)

<『パリ・コミューンの詩人たち』>

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