一九九三年二月九日

ここでは、「一九九三年二月九日」 に関する記事を紹介しています。


一九九四年二月九日



(詩集『老いたるオルフェの歌』)

*テキスト≫
一九九三年二月九日

一九九三年二月九日は
明るく晴れた この冬の日は
わたしを闇に つき落した
きみの炎は 消えてしまった

わたしを明るく 照らしてくれて
わたしをあたたかく あたためて
火花をあげて 燃えた炎は
消えてしまった きみの炎は

きみの炎の 消えたあとには
白い灰と 黒い闇が残る
火照りをうけた わたしの胸には
疹き痛む 火傷(やけど)が残る

生ける日 きみはささえてくれた
わたしを よみがえらせてくれた
渇いて 狂っていた男を
病んで 荒(すさ)んでいたわたしを

いまはわたしが 記憶のなかから
わたしの歌で 死のくらやみから
きみを よみがえらせるときだ
そのために わたしは残ったのだ

きみを呼び起こす わたしの歌が
呻めき顛える 悲しいヴィオラが
ひびきも低く みだれていようと
たとえ遠く 飛べなかろうと

狂ったように わたしは歌おう
憑かれたように 歌いつづけよう

          一九九四年二月 一周忌に

(詩集『老いたるオルフェの歌』)
関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/tb.php/2062-21cf46df
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック