核戦争と平和と
──核戦争が起きたら
大島博光
核戦争が起きたら
核戦争のあとには
ひんまがった鉄骨や電線のジャングル
見渡す限り瓦礫の世界
人間はだれも生き残れないだろう
核の冬の死の沈黙がやってくるだろう
もう愛の歌や仕事の歌をうたう
若者たちの輪はないだろう
手をつないで街をゆく
恋びとたちの姿もないだろう
乳のみ子をあやす母親もいなければ
明日を夢みる娘たちもいないだろう
競技場でボールを追いかける若者らも
歓声をあげる観衆もいないだろう
地球がまるごと墓場になるだろう
だが花束をささげる人はいないだろう
人類がいなくなったら 平和という
言葉ももう死語となるだろう
核にかける手を抑えつけよう
核を地球からとっぱらおう
生のために手を結び合った
世界人民は核よりも強い
地球をとり巻きうねる平和の波は
核にしがみつく奴らをのみこむだろう
(1988年6月 初出紙誌不明、『冬の歌』)
──核戦争が起きたら
大島博光
核戦争が起きたら
核戦争のあとには
ひんまがった鉄骨や電線のジャングル
見渡す限り瓦礫の世界
人間はだれも生き残れないだろう
核の冬の死の沈黙がやってくるだろう
もう愛の歌や仕事の歌をうたう
若者たちの輪はないだろう
手をつないで街をゆく
恋びとたちの姿もないだろう
乳のみ子をあやす母親もいなければ
明日を夢みる娘たちもいないだろう
競技場でボールを追いかける若者らも
歓声をあげる観衆もいないだろう
地球がまるごと墓場になるだろう
だが花束をささげる人はいないだろう
人類がいなくなったら 平和という
言葉ももう死語となるだろう
核にかける手を抑えつけよう
核を地球からとっぱらおう
生のために手を結び合った
世界人民は核よりも強い
地球をとり巻きうねる平和の波は
核にしがみつく奴らをのみこむだろう
(1988年6月 初出紙誌不明、『冬の歌』)
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