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座談会 チリ連の17年をふり返って (4) 虹をシンボルに「ノー」の運動

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虹をシンボルに「ノー」の運動

高橋 その後チリ情勢は八八年の国民投票に向けて動き出しました。このとき、チリではいろいろな議論が起きていました。国民投票に参加するのは軍事政権の法体制を認めることだとか、自由選挙を要求すべきだとか。リティンが来日したとき、彼も国民投票はまやかしだと言っていた。
 僕が八八年七月にチリに行ったとき、日本でのイメージがズレていることが分かった。チリではおそろしく多様で豊かな色彩の運動をやっている。白黒イメージでなくて、カラーなわけ。虹がシンボルだった。希望の象徴であるとともに、いろいろな政治的色合いを持った人たちがひとつになっていることを象徴していた。そうした色彩豊かな運動だった。
 帰国してから明るい運動をやっているといっても、何が明るいんだなんて言われた。

立松 先生だけが喜んでいてギャップを感じた。

司会 あのときは本当にわからなかった。高橋さんはチリ人じゃないかと思った。ビデオを見てはじめてああそうかなと思った。

高橋 イメージをきちんと正しくもっていること、そうしたイメージにもとづいて手をつないでいくことが、本当に大事だし、また難しい。
  チリはこれで一つの区切りがついたが、これで終ったわけではないし、未解決の問題が残っている。軍は相変らず無傷だ。ただ軍の腐敗が暴かれてきて、軍の危機感がつのってきている。
 経済も問題だ。貧困は相変らず。しかも深刻なのはこれからどのような経済をつくっていくのか、発展の方向は何なのかというモデルが壊れてしまっていることだ。工業化をどうするのか、一次産品の輸出をどうするのか、外国資本にどのような態度をとっていくのかなど、昔の公式では通用しなくなっている。どこに活路を見つけていくのかが大変です。
 話は飛びますが、つくづく感じるのは文化の力です。歌とか、映像とか。歌を通じて参加してくる人が日本でも多かった。アルピジェーラ(壁掛け)も技術は稚拙だが訴える力をもっている。文化的な活力はすぐに効果は出てこないけれど、長期的には質の高い運動をつくっていくことになると思います。

山口 八一年十一月から高橋さんの論文が「ニュース」に初めてのった。そのタイトルは”腐朽化がすすむピノチェト体制──強まる弾圧と反撃のたたかい”というもの。チリ人民のたたかいを高く評価し、ピノチェトの側の弱点を浮き彫りにする。そのひとつの根拠がチリ経済の危機的な状況。それを引き出したのが、シカゴ・フリードマン学派の経済政策、とこうなるわけです。
 ゆきずまるピノチェト。ところが、これにたいしてピノチェトの側から戒厳令などの弾圧が強まる。暗い見通しとなっていく。この高橋さんの書くチリ情勢にしたがって僕らの情勢判断もゆれ動いていく。
(つづく)

<『チリ人民連帯ニュース』第39号──座談会 チリ連の17年をふり返って>

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