死の網を張らせてはならない──国家機密法の陰謀に抗して

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死の網を張らせてはならない

  ──国家機密法の陰謀に抗して

                           大島博光
  
四十年前 戦争に敗けたとき
みんなが言った だまされていたと
だまされたものがいたのだから
むろん だましたやつらがいたのだ

だが そんな手に乗ってむざむざと
だまされたものばかりではなかった
その暗いたくらみや仕掛けの正体を
はっきり見抜いていた人たちがいた

そのあとに
何がやってくるのか
遠く 見通していた人たちがいた
それは ファシズムと戦争の道だと
叫んで 闘っていた人たちがいた

そこで やつらは しかけたのだ
だまし だまらせる仕掛けや罠を
真実を見ぬく眼には 眼かくしを
怒り 叫ぶ ロには 猿ぐつわ

拳(こぶし)を振りあげる手には 手かせを
光を運んで歩く足には 足かせを
そうして 耳には ふたをする
鳩や雲雀の歌が きこえぬように

そんな罠や 斧を 怖れずに
愛を語り 光を運んだ人たちは
鉄格子のなかへ ぶちこまれ
小林多喜二のように 虐殺された

狂気が 軍刀を手にしてのし歩き
白痴が 知性や理性を足蹴にし
不条理が 堂々とまかりとおる
日は出ていたが 昼も暗かった

息子は戦場で殺されたと 母親は
泣き叫ぶことも できなかった
もう夢みる自由さえも奪われて
人びとはさながら 生きた亡霊

みんなの生を守るためだと言って
やつらはたくさんの人たちを殺した
じぶんの国の人民を てはじめに
侵略したアジアの国の 人びとを

その 血のしたたる罠と斧は
悪名高い 治安維持法といわれ
また 特別高等警察といわれ
そうして 国防保安法といわれた

やつらの野蛮な野望は敗れさった
なのに やつらはもち出してきた
またしても国家機密法なるものを
むかしのように人民を偽るために

こんな悪法を 通してはならない
こんな とてつもない 死の網を
人民のうえに 張らせてはならない
もう二度と だまされてはならない

(『赤旗』1985年6月17日)
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