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座談会 チリ連の17年をふり返って (1) 17 years of the Japan Committee in Solidarity with Chilean People

ここでは、「座談会 チリ連の17年をふり返って (1) 17 years of the Japan Committee in Solidarity with Chilean People」 に関する記事を紹介しています。
座談会 チリ連の17年をふり返って
                            1974年〜1991年

司会 常任委員会の決定で、チリ連は目的が達成されたので解散することとなりました。そこでニュース最終号の中心記事として本座談会を企画しました。
 始めるにあたって、解散にいたる経緯、とくにチリ人民の一九八八年以降のたたかい、一九八九年の大統領選挙での勝利についてどう感じたか話してください。

予想できなかった勝利

山口 一九八八、一九八九年のたたかいは生々しい体験でした。ああいう形でチリ人民が勝つというのは予想していませんでした。
 はじめにチリ人民が決起した一九八三年以後、それに呼応して連帯も強めてきたが、軍事政権は非常に強固で弾圧をくり返し、これを突破するたたかいがどうやって出てくるのか、なかなか見えなかったというのが正直なところです。
 それが見え始めたのは、高橋さんが一九八八年に二度目にチリを訪問して見てこられたチリ情勢の報告を受けて、認識が改まった時からでした。
 「ノー」の運動の盛り上がりはアレよアレよという感じで、チリ人民の軍政反対・民主主義回復をめざす運動の発展を感動して見てきました。
 チリのビデオで、幅広い人たちの、しかも文化の香りの高いすばらしいたたかいを見ることができました。これはやるんじゃないか。「ノー」の勝利が次の大統領選の勝利につながるという確信をもちました。
 そういう段階でチリから歌手のダニエルとコロリンを呼ぶことになり、この場合も情勢をつかみきれなかった私たちの認識の古さもあって、諸団体の意思決定に時間がかかりましたが、なんとか意思統一でき、来日を実現して有終の美を飾れました。
 また故間島事務局長はチリへ代表団を送ることを提案していたのですが、これは全員の合意をえることができず実現できませんでした。ピノチェトの残忍な弾圧が強く印象づけられていて、代表団としてでかけていくことにチリ連としては責任が負えないというのが多数意見でした。
 それでも高橋さんと小松さんが個人として大統領選挙の最終段階にチリに行き、チリ人民の勝利の場面を見てきてくれたことで、チリ連としてもピリオドをうてました。お二人の著作『チリ・嵐にざわめく民衆の木よ』はチリ連の運動の最後を飾る役割を担ったものと言えます。
 アンヘル・パラの日本公演はチリ人民の勝利に連帯する日本国民の運動をもう一度盛り上げ、共に祝う役割を果たしたのではないでしょうか。
 私はアジェンデ夫人の来日歓迎以来、谷圭さんとともに運動の当初から参加しました。チリ人民の勝利の日まで参加できたことは本当によかったと思います。
 とくに高橋さんが、一九八八年七月以来チリヘ四往復してもたらしてくれた情報がチリ認識を変え、チリ人民の勝利をめざすたたかいと歩調を合わせることができたのは何よりでした。

司会 チリの最後の勝利にいたるなかで、八八年十月五日の国民投票が大きかったと思いますが、どう感じましたか、一言ずつ。

立松 個人的になりますが、アジェンデ政権ができたとき(一九七〇年)、国際民婦連の本部があるベルリンに滞在していました。私のアパートのとなりにチリ人のおばさんがいて、アジェンデ政権が成立したときに言ったのは、勝利して気になるのは、チリ民主勢力の核心部だったチリ共産党がほかの人と手をつなげていくことに修練が足りなかったこと、その点がこれからの課題なのだと言って、むしろそのことへの不安を感じていました。
 彼女は二人の息子がいて、一人はあのバスケット競技場で殺され、もう一人は行方不明となった。そういうこともあってアジェンデが殺されたあと、婦団連の米原美智子さんがアジェンデ(夫人)を呼ぶことを決めて帰ってきたのです。
(つづく)

出席者

山口啓二(歴史研究者)
立松隆子(国際婦人運動家)
谷 圭(画家)
高橋正明(中南米研究家)
小松健一(フォトジャーナリスト)

司会 松野哲朗(チリ連常任委員)
記録 大島俊介(チリ連常任委員)
(一九九一年二月九日、学士会館にて)

<『チリ人民連帯ニュース』第39号(最終号)1991.4.20>

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