夢みる

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 夢みる
                      大島博光

おれは 損得など考えなかった
あと先のことなど 見えなかった
そして詩人なんかになってしまった

いつも夢ばかり 見ていた
遠い空ばかり はるかに見上げて
見果てぬ夢ばかり ゆめみていた

おれも むかしは歌っていた
春の夜の 栗の花の匂いや
荒地に消えた 泉の歌など

そんな おれの眼にも見えるのだ
この世の中が いんちき舞台で
この世の中が 狂っているのが
 
お偉方(えらがた)は 献金という名の
ワイロや 汚れた金や株を
ふところに入れて ふんぞり返る

それを裁くはずの 裁判官どもも
その手のひらに 乗っているから
黒を白と言って しらを切る

そんな おれの眼にも見えるのだ
ペてん師どもの ペてんにかかって
この世の中が 腐ってゆくのが

金で買った 政府をだしに
しこたま儲ける 資本の仕組
まるで いかさまの賭場のようだ

日ごと おれたち貧乏人からは
雑巾(ぞうきん)のように搾りとる 掠めとる
まるでこの世の中は さかさまだ

そんなことを 書きたてた詩など
この世の中で 売れるかどうか
そんな計算なども しないのだ

こんなにこの世が 狂ってるから
やっぱりおれは 夢みるのだ
人民(みんな)が主人になる 世の中を

いや 夢みるだけではすまされぬ
人民の自由や 平和のためなら
足を引きずってでも おれも行く

(『赤旗』1989.7.18、詩集『冬の歌』

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