黒板に書かれた「ことば」・・・中村さんからの便り

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過日は突然お伺いいたしまして お忙しい中いろいろ案内頂きましてありがとうございました。
博光先生が遺されたたくさんの愛の詩、訳詩を目にすることができ、そして千曲川をめぐり、松代の町を勉強させて頂き、本当に嬉しゅうございました。

アラゴンの詩 それを訳されました大島先生に心を動かされてから五十六年過ぎました。
大学を出て歴史の教師になって間もなく、一九五七年の四月、中学一年生の入学式の日でした。それぞれの教室へ生徒と一緒に入った時、思いがけず、黒板に書かれた「ことば」に私は感動しました。一年間その教室で担任された国語の先生が入学式の朝、黒板にチョークで書いて下さったのです。

 今日からこの教室で学ぶ君たちへ
  「教えるとは 希望を語ること
   学ぶとは 誠実を胸に刻むきざむこと」
           ストラスブール大学の歌より
 教室の前の花壇に三本のライラックの苗を植えました。
 やがて紫・ピンク・白の花が咲くでしょう。
 愛・友情・正直・・・どうか心豊かな大人になって下さい!!


十二歳の子供たちは何のことやら、わかったか、わからなかったか・・・でもみんなしっかり読んでいました。チョークで書かれた文字はやがて消され、忘れてしまったことでしょう。私はとても嬉しかったのです。二才年上の早稲田を卒業した男の先生に心から「ありがとう」を伝え、ゆっくり話そうと思っていました。でも忙しさに追われ、すばらしい「贈物」だと私は感謝して時は過ぎました。バスケットと水泳の上手な元気な先生でしたけれど、四〇代で惜しまれて亡くなりました。いつも私は「あのことばことば」と気になっていました。「アラゴンの詩」だと思うよ・・・といっていた私の夫も五年前に急逝してしまいました。夫は歴史の研究者ですが、思うことは同じです。
あの時の中学一年生、みんな六十七〜八才です。「黒板のことば・・・先生!アレ、ナニ?」いいおじさまとおばさまが老人の元教師に尋ねます。「そのうち天国に行って聞いてくるね」と私は答えます。
博光先生が大切にされた「ことば」を繰り返し読むことができた・・・そして故郷千曲川のほとりの松代へ行くことができて幸せです。
ありがとうございました。
夫の遺作「川柳のなかの中国」お時間がありましたら読んでやって下さいませ。

十月七日                  中村宏子
小林園子様
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