Pablo Neruda「虐 殺」Las masacres

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虐 殺


しかし 血はそのとき隠された
(根っこの背後で 血は洗い流され
血は流れなかったと言いふらされた
それは そんなにむかしのことだった)
「南部」の雨が 大地から血をおし流し
(それは そんなにむかしのことだった)
草原の硝石が 血を飲みほしてしまった
そして人民の死は いつもどおりのものだった
まるで 死んだものはだれも ひとりもいないようであり
まるで 大地に仆れたのは あの石ころどもであり
水が 水のうえに流れ落ちたようなものだった

「北部」から「南部」にいたるまで
かれらは 死者たちを おしつぶし
死者たちを 焼いて 闇のなかに葬り

夜にまぎれて そっとかたづけ
炭坑の穴のなかに 投げ込み
骨は 海に投げ捨て
こんにち あの死者たちはどこにいるのか
だれも知らない
あの人たちには 墓もなく
あの人たちは 祖国の根っこに散らばっている
指は拷問(ごうもん)でひんまがり
心臓は鉄砲弾丸(だま)で穴があき
チリ人の微笑を浮べている
草原の勇者たち
いまは声もない指導者たち

人殺しどもがどこに死体を埋めたか だれも知らない
だが 死者たちは大地から出てきて
流した血を とりもどすだろう
人民の復活において

犯罪はラ・プラサのどまんなかで行われた
人民の清らかな血を 茂みは隠さなかった
草原の砂も 吸わなかった
だれも この犯罪を 隠さなかった

犯罪は 祖国のまんなかで行われたのだ


(パブロ・ネルーダ『大いなる歌』第二巻)

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