ネルーダ「ラ・プラサの死者たち」

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 ラ・プラサの死者たち
   (一九四六年一月二十八日 チリのサンチアゴ)

かれらが仆(たお)れたところへ
おれは 泣きにやって来たのではない
おれは きみたちのところへやって来たのだ
生きてる人たちのところへ 駆けつけたのだ
きみのところ おれのところへ駆けつけて  
きみの胸倉(むなぐら)をたたくのだ

あの人たちは ずっと前に仆れてしまった
きみは思い出さないか そうだ 思い出すだろう

あの人たちは おんなじ姓名をもち
おんなじ名まえをもっていた

サン・グレゴリオで 雨の降るロンキメエで
風に吹き倒された ランキルで
砂に埋まった イキケで
海と砂漠のほとりで
群島の草原の
煙りと雨の下で

あの人たちは 虐殺(ぎゃくさつ)された
あの人たちは きみのように アントニオと呼び
きみのように 漁師であり 鍛冶屋(かじや)であった
あの人たちは チリの肉であり
その顔は 風で皺(しわ)だらけになり
草原に痛めつけられ
苦痛にゆがんでいた

おれは出会った 祖国のいたる処の壁のうえで
雪とその水晶のそばで
みどりの流れのかなたで
硝石の下 穂麦の下で
わが人民の流した血の滴(したた)りに
そうして滴(したた)りはみな 火のように燃えていた


『大いなる歌』第二巻)

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