共同なべ「ヌエバ・エスペランサ(新しい希望)」(2)

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 アナさんはまだ40歳だが7歳になる孫が一人いる。「33歳でおばあちゃんになった」とのことだ。結婚は19のときだった。でも子どもがすでにいた。その長女も結婚前に子どもができた。ポブラシオンでは婚前交渉が多い。未婚の母もたくさんいる。1970年、アナさんは土地占拠に参加した。占拠に加わると夫に言って、板切れをもって出かけたという。占拠したのは用水路の脇の空き地で、ひどいところだった。「猫ほどもある鼠が出た」。やがていまの場所に移った。共同なべは8年前からやっている。ビジャ・オヒギンスの11の共同なべのなかでもっとも歴史が古い。最初のなべで指導者の女性がビカリアからの物資を一人占めしてしまったので、これに怒ったアナさんが新しくいまの共同なべを設立したとのことだ。途中、共同なべから抜けたことがある。すると共同なべは活動を停止してしまった。「もう一度参加してくれって言われたの。それでまた加わって共同なべを再建したわ」。共同なべが彼女のような特定のリーダーに依存する度合いが大きいことが分かる。
 現在この共同なべには26家族が参加している。食事は100人分ほどつくる。各家族は月に1200ペソを会費として払う。家族の人数にかかわりなく一律である。共同なべがあるのは毎週月曜から金曜までの5日間だから、月に20数日となる。月額会費1200ペソでは1回あたり60ペソ弱、1家族4人分としてひとりあたり10ペソそこそこだ。これではとてもやっていけないので、どうしても外部の援助が必要となってくる。教会が野菜などを無償で供給してくれるほか、市場などにもらいに出かける。個人の善意も無視できない。
(つづく)
<高橋正明『チリ・嵐にざわめく民衆の木よ』──ポブラシオンの女たち>

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