孤独な散歩著
わたしたちはいつも いっしょに歩いた
道ばたのベンチに 二人ならんで坐った
それは 天城峠をくだる遊歩道であったり
人影もない 八幡平の裏歩道であったり
それは パリのリュクサンブール公園の木かげ道であったり
「花のドーモ」からシニョーレ広場への石畳であったり
それは ふるさとの千曲川の土手であったり
終(つい)の住みかの三鷹の町の裏通りであったり
夏は ひかげのベンチでやぶ蚊に刺された
冬は ヒヨドリを見て日向ぼっこをした
きみはハギの花むれに飛ぶ蜜蜂に興じ
道ばたの ハナミズキの紅葉を愛した
いまわたしは ひとりぼっちで歩いている
ひとりぼっちで わたしはベンチに坐っている
わたしはまた 孤独な散歩者になった
(『冬の歌』1991年)
わたしたちはいつも いっしょに歩いた
道ばたのベンチに 二人ならんで坐った
それは 天城峠をくだる遊歩道であったり
人影もない 八幡平の裏歩道であったり
それは パリのリュクサンブール公園の木かげ道であったり
「花のドーモ」からシニョーレ広場への石畳であったり
それは ふるさとの千曲川の土手であったり
終(つい)の住みかの三鷹の町の裏通りであったり
夏は ひかげのベンチでやぶ蚊に刺された
冬は ヒヨドリを見て日向ぼっこをした
きみはハギの花むれに飛ぶ蜜蜂に興じ
道ばたの ハナミズキの紅葉を愛した
いまわたしは ひとりぼっちで歩いている
ひとりぼっちで わたしはベンチに坐っている
わたしはまた 孤独な散歩者になった
(『冬の歌』1991年)
- 関連記事
-
-
死ぬのはやさしいが生きるのはむつかしい──エセーニンについて 2013/12/20
-
炎を縛ることはてきない 2013/12/09
-
孤独な散歩著 2013/04/21
-
宮本百合子とマヤコフスキーと 2012/11/07
-
不幸は忍び足で 2012/02/15
-
この記事のトラックバックURL
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/tb.php/1752-50e2a300
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック