孤独な散歩著

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 孤独な散歩著

わたしたちはいつも いっしょに歩いた
道ばたのベンチに 二人ならんで坐った


それは 天城峠をくだる遊歩道であったり
人影もない 八幡平の裏歩道であったり

それは パリのリュクサンブール公園の木かげ道であったり
「花のドーモ」からシニョーレ広場への石畳であったり

それは ふるさとの千曲川の土手であったり
終(つい)の住みかの三鷹の町の裏通りであったり

夏は ひかげのベンチでやぶ蚊に刺された
冬は ヒヨドリを見て日向ぼっこをした

きみはハギの花むれに飛ぶ蜜蜂に興じ
道ばたの ハナミズキの紅葉を愛した

いまわたしは ひとりぼっちで歩いている
ひとりぼっちで わたしはベンチに坐っている

わたしはまた 孤独な散歩者になった

(『冬の歌』1991年)
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