アルピジェラにはPOJH、PEMの文字がしばしばでてくる。POJHは「世帯主雇用計画」、PEMは「最低雇用計画」の略称で、自治体の失業対策事業のことである。月額六〇〇〇ペソ(三〇〇〇円)、四〇〇〇ペソ(二〇〇〇円)という驚くべき低賃金で道路の補修や公園の整備などの作業をする。働いている人形たちの背景には、入口に大きく☓印が書かれた工場が描かれている。工場が閉鎖されて失業に追いこまれたことを指している。失業した人形たちは生活のためになんでもやる。道路で自動車の窓拭きをしたり駐車中の乗用事の番をする者もいれば、街頭で「店」を広げる露店商もいる。街頭でのこうした仕事は、クーデター以前のチリではほとんど見られなかった。「作業所」や「共同なべ」、「共同購入」など生活を守るための自分たちの活動を描いたものも多い。(高橋正明著『チリ・嵐にざわめく民衆の木よ』)
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