一九二一年二月四日、オルガとピカソの息子ポールが生まれた。ピカソはオルガとポールの母子像をいくつか描く。ポールは母親の膝のうえで眠っていたり、遊んでいたりしている。一九二三年には驢馬に乗ったポール、勉強机でものを書いているポールが描かれ、一九二四年には「アルルカン姿のポール」が描かれる。三歳になったポールは、ピカソなじみのアルルカン(道化)の衣裳をつけて、父親のやさしいまなざしと感性によって、きわめてレアリスムの形象で描かれている。画家はまったく自然に、大きく育ってゆく息子の姿を、やさしい父親のまなざしで見つめている。「ポールの肖像」のこの上ない優雅さとやさしさは、寛大な父性愛と情熱から生まれた奇跡である。この頃、ピカソは珍しくむらのない気分で多くの仕事をし、それらの画には優しさと平穏にみちた悦びがあふれている。
その後、マリ・テレーズ・ワルターとの間に生まれた娘マイヤについても、またフランソワーズ・ジローとの間に生まれたクロードとパロマについても、ピカソは同じようにそれぞれの肖像画を描くことになる。
──この項おわり──
<新日本新書『ピカソ』 ──「新古典主義の大女たち」>
その後、マリ・テレーズ・ワルターとの間に生まれた娘マイヤについても、またフランソワーズ・ジローとの間に生まれたクロードとパロマについても、ピカソは同じようにそれぞれの肖像画を描くことになる。
──この項おわり──
<新日本新書『ピカソ』 ──「新古典主義の大女たち」>
- 関連記事
-
-
第二次世界大戦中のピカソ (1) 2013/10/19
-
『ピカソ』あとがき postscript of "Picasso" 2013/10/07
-
ピカソ 「新古典主義の大女たち」(5)アルルカン姿のポール 2013/04/11
-
ピカソ「新古典主義の大女たち」(4)牧神(パン)の笛 2013/04/10
-
ピカソ 「新古典主義の大女たち」(3) 2013/03/29
-
この記事のトラックバックURL
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/tb.php/1731-e84d92ef
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック