「アヴィニヨンの娘たち」が描かれた一九〇九年には、ピカソは木彫りの黒人の仮面を友としてしごとをすすめる。つまり、彫像、円柱、襞のある衣服などの世界である。しかしピカソは、その衣服にあらわれる襞を、ふだんの夜の寝間着のように扱っている。アルカイスムと構成的単純さをもった一九二〇年の大女たちは偶像であり母性神である。また襞のついた着物をきた一九二三年の女たちは、ちょっとばかり文明化した古代の女たちである。
この大女のシリーズが始まったとき、妻のオルガが妊娠していた。それはとるにたりぬことではなかった。オルガのふくらんだ肉体、やがて子供が生まれるという約束──それは画家の感嘆をよび起こさずにはいなかったにちがいない。「坐った二人の裸婦たち」──彼女たちの小太りの肉体、ふくらんだ乳房、たくましい手、大地にしっかりと根づいた足、それらは母性としての未来の任務にそなえているのである。
この大女のシリーズが始まったとき、妻のオルガが妊娠していた。それはとるにたりぬことではなかった。オルガのふくらんだ肉体、やがて子供が生まれるという約束──それは画家の感嘆をよび起こさずにはいなかったにちがいない。「坐った二人の裸婦たち」──彼女たちの小太りの肉体、ふくらんだ乳房、たくましい手、大地にしっかりと根づいた足、それらは母性としての未来の任務にそなえているのである。
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