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ピカソ 「新古典主義の大女たち」(2)母と子

ここでは、「ピカソ 「新古典主義の大女たち」(2)母と子」 に関する記事を紹介しています。
 ピカソの作品のなかに古代ギリシャ神話の形象が初めて現われるのもこの時期である。一九二〇年のグワッシュ画では、半人半馬のケンタウロスが、抵抗する裸の女を抱きかかえている。そこには、彼が前年ポンペイやナポリで見た古代絵画や彫刻からの影響、触発があったにちがいない。とはいっても、ピカソの関心は古代芸術の優雅優美の側面にはない。彼の関心はもっぱら女の裸休の新しい解釈、新しいデフォルマシオンへとむかう。青の時代には、デフォルマシオンはグレコにおけるように、引き伸ばしたり細く痩せさせたりすることにあったが、こんど現われたのは、重量のある、キュビスム的な処理を経たデフォルマシオンである。たとえば一九二一年の「母と子」のような作品は、もしもキュビスム体験がなかったら、いまあるようなものとしては描かれ得なかったであろう。たしかに顔は彫刻のようでフォルムはわかりやすい。しかしそれらはそれぞれ独立した仕方で処理され、やはりキュビスム風に分析されているのである。

母と子

ピカソ「母と子」1921年

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