肖像の完成
一九〇六年八月、ピカソはパリに帰ると、放ったらかしておいた「ガートルード・スタインの肖像」を、モデルを見ることなしに、一気に仕上げた。「ガートルード・スタインの肖像」は、モデルの性格分析をとおしての深い心理的追求を示しており、スタイン女史の資質、才能のひらめきを描きだしている。その鋭い眼をした顔は、きわめて冷やかな木彫の仮面のようである。この点については、イベリヤ彫刻の影響が指摘されている。そして、「アヴィニョンの娘たち」の左側の人物たちの顔も、この影響によって説明されるであろう。ここにすでにキュビスムは始まっていた……。
<新日本新書『ピカソ』──ガートルード・スタインの肖像>
一九〇六年八月、ピカソはパリに帰ると、放ったらかしておいた「ガートルード・スタインの肖像」を、モデルを見ることなしに、一気に仕上げた。「ガートルード・スタインの肖像」は、モデルの性格分析をとおしての深い心理的追求を示しており、スタイン女史の資質、才能のひらめきを描きだしている。その鋭い眼をした顔は、きわめて冷やかな木彫の仮面のようである。この点については、イベリヤ彫刻の影響が指摘されている。そして、「アヴィニョンの娘たち」の左側の人物たちの顔も、この影響によって説明されるであろう。ここにすでにキュビスムは始まっていた……。
<新日本新書『ピカソ』──ガートルード・スタインの肖像>
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