ピカソ──ゴソルへ向かう(下)

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 故国の大地、大自然のなかにひたって、ピカソは肉体的にも精神的にも活力をとりもどし、新しい芸術創造の方向にむかう。ゴソル滞在中、多くの農婦たちのデッサンと絵が描かれる。「パンを運ぶ女」のような作品で、ピカソは画面にドラマをもちこむことなく、初めて見たままを描いている。「化粧」「フェルナンドの肖像」「パンを運ぶ女」のような作品では、フォルム(形)は洗練されたものとなり、量感の構成はアルカイック(古典期以前の様式)な簡素さをもち、色彩もバラ色から黄土色(オークル)の色調に変わり、肉体の肉感性はいっそう磨きをかけられる。
 大作「農民たち」(花売り)はゴソルで描き始められてパリで完成する。大きな花籠をかついで異常に背の高い男と、花束をもった背の低い娘との対照には、明らかにグレコの影響がみられる。この盲目の花売り男は小さな娘にみちびかれており、そこに二匹の牝牛があしらわれる。花売り男の手足の不均衡さ、若い娘のその細さ──この構図から異常な動きと空間がつくりだされる。二人の農民の踊っているような陽気な場面を強調するために、ピカソは不均衡さを使用し、動きを表現しようとしたことは明らかである。

<新日本新書『ピカソ』──ガートルード・スタインの肖像>

ピカソ
パンを運ぶ女

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