エリュアール「わたしの知っている詩人たち」

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 わたしの知っている詩人たち
                    ポール・エリュアール

わたしの知っている詩人たち
かれらの思い出は秋のように
くら闇のなかでも太陽の光をふやしてくれる

わたしの知っている詩人たち
生きているものや死んだもの 弱いものや強いもの
しあわせにみちたものや苦しみにみちたもの
そんなみんなをわたしは愛し理解した
あやまちだらけ いいところもいっぱい
じぶんから難破しようとしたものや
また 神の救いを信じたものをも

かれらのこころの塊(かたま)りは変った
あるときは灰に あるときは金に
かれらの言葉は聞こえた
それはだんだん昇っていった
あかつきのくちびるに沿って
無邪気の丘のうえに
空が灰いろに曇っていたときさえ
しかし 空の丸天井はかれらの頭上で崩れた
しかし 魅惑の泉は草のかげで涸れた
びっくりした詩人たちは叫びつづけた
 武器をとれと呼びかけ
正義と友愛をまもれと呼びかけた

そうして詩人たちは努力した
仲間たちに見習うように
そうしてわたしはアラゴンの家にたどりつき
そうしてわたしは聞いた アラゴンの語るのを
わたしに語り 胸をひらいて心を見せてくれるのを
かれのこころはまたわれわれみんなの心だ

『この世にはたくさんのひとたちがいる
わたしたち二人よりももっと感じやすいひとたちが
そうしてすばやくすべての秘密を見ぬく
たくさんの暗い眼と青い眼がある

じぶんの生活を人生をよくしようと
はっきりした意志をもったたくさんのひとたちがいるのだから
あすの朝の太陽は
かれらの力をまざまざと照しだすだろう』

わが友アラゴンとともに人々ははっきりじぶんを知ることができる
じぶんの力の限りで

そうしてじぶんの力の限りを越えて
じぶんの国境のうちがわで
そうしてじぶんの国境を越えて

国境ということばは めっかちのことばだ
世界を見るため 人間には二つの眼がある

わたしの知っているすべての詩人のうちで、アラゴンはいちばん理性をもった詩人だ。怪物どもに向ける理性を──そうしてわたしに向ける理性を。
彼はまっすぐな道をわたしに指し示してくれた。かれはきょうもまた、すべてのひとびとにその道を指し示している。不義不正とたたかうことは、じぶんの生活のため、希望の花さく生活のため、そうして世界を愛するためのたたかいだということを理解しないすべてのひとびとに。

<『角笛』3号、『エリュアール詩選』>
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