ピカソ バラ色の時代 ──大道芸人たち

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 大道芸人たち

ピカソが、郊外や田舎の淋しい風景のなかに描いたのは、パリのサーカスではなく、放浪する旅芸人たちの一群である。
 「大道芸人たち」 Les Bateleursはバラ色の時代のもっとも野心的な大作である。弱々しいアルルカンたちのあいだに、肥った恰幅のいい道化役者が立っている。右側の前景に、大きな麦高帽子をかぶった若い女が坐っている。そばにある素朴な素焼の壷はカタルーニャかマジョルカ島のものである。背景は地中海の海辺である。この流浪の旅芸人たちは、何かはかない夢の魅力をたたえている。この哀愁にみちた場面をきわ立たせるために、ピカソは鮮やかな色彩を使わずに、灰色がかった黄土色(オークル)、蒼白い青、バラ色、赤といった色彩の音階を用いている。そして人物たちの配置、構成には複雑な造形的な配慮がはらわれていて、それが画面に異常な魅力をあたえている。リルケがこの絵からうけた強い感銘を「ドゥイノの悲歌」のなかに書きしるしているのは有名である。

 わたしに教えてくれ このさ迷う者たちは何者なのか
 われらよりも ちょっとばかし逃亡者めいたこの人たちは

大道芸人

<新日本新書『ピカソ』──バラ色の時代>
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