ピカソ バラ色の時代 ──「洗濯船」の住人(下)

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 フェルナンドのいうように、ピカソは労働者の着る葉っぱ服とセーターを着ている。生活は苦しく必要品にもこと欠いた。絵を買ってくれる蒐集家や愛好家はきわめて少なかった。画家たちはのんきなボヘミヤン社会に流れてきた貧民で、自分の天才を信じるほか何んの資力ももたなかった。ラフィット街の画商クロヴィス・サゴやアンブロワーズ・ヴォラールがときどき絵を買ってくれたが、それではとても足りなかった。どうにも窮した時は、スーリエじいさんのところへ助けを求めに行った。じいさんはマルチル街で古道具屋をひらいていて、持って行くものは何んでも買ってくれたからである。
 このモンマルトルで過した五年間はピカソにとって決定的なものであった。彼はこのあいだにたくさんの友人知人をもつことになる。ヴァン・ドンゲン、詩人のアンドレ・サルモン、ピエル・ルヴェルディ。マックス・ジャコブとは以前から苦楽を共にしていた。一九〇五年にはギヨーム・アポリネールと知り合い、一九〇六年には、アメリカの女流作家ガートルード・スタインの家でマチスと出会う。一九〇七年には、ジュアン・グリ、ドラン、ジョルジュ・ブラックと知りあう。そして一九〇七年からピカソを支持することになる画商カーンワイラー……こうして「洗濯船」のまわりには次第に、画家、詩人、批評家の一群があつまり、その決定的な活動はやがて芸術・絵画の伝統的な基礎を根底からくつがえすことになる。
 また一九〇五年には、ピカソは「うるわし」のフェルナンド・オリヴィエと知りあい、生活を共にするようになる。

<新日本新書『ピカソ』──バラ色の時代>

フェルナンド

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