失われた愛の歌

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 失われた愛の歌

夜の閾(しきい)をとび越えて
君はとび降りてしまったのか
地球の外へ

君のうしろ姿は語らない
醜悪に奪われてしまった
君の眼は閉じている

残された君の椅子に
風は腰かけ
残された広場に
君の足跡は踏まれている

君を呼ぶ唇の中に
星の光りは流れ込み
君を探す手の中に
稲妻は閃く

ただ草葦(アルピスト)の葉は告げた
君が《出かけた》ことを
しかし君は戻って来るだろうか
肩を振り手を振りながら

君の椅子を満たすために
君の針をふり撒くために
    *
炎を映した雲は蔽っている
君はまだ戻って来ない

水蒸気のように
草葦は燃えさかり
野火は私の背中に迫ってくる

しかし私は見ている
炎を映した雲を
君を映した雲を

(『新領土』第二巻一〇号)
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