いちばん高い塔の歌

ここでは、「いちばん高い塔の歌」 に関する記事を紹介しています。
 いちばん高い塔の歌
              アルチュール・ランボオ/大島博光訳

ぶらぶらと、何もせず、
やぶれさった青春よ、
気むずかしい心くばりで
おれは生活をだいなしにした。

ああ! すべての心が
抱きあう時よ、来い!

おれは自分につぶやいた、
誰もおまえを見つけはしない。
そして深いよろこびを約束もせず、

誰もおまえをひことどめはしない、
ふんぞりかえった世捨てびと。

おお、こうも哀れな魂の
ながいあいだのやもめ暮らしか、
この魂はノートル・ダムの
おすがただけを抱いているのに。

聖母マリヤに
お祈りしようか?

どうして 忘れもせね、
おれはあんなに耐えてきた。
おれの恐れと苦しみは
天へ向かって、のぼって行った。

そして、とてつもなくのどがかわき、
おれの血は暗く、くもった

おれの心は、汚らわしい蠅どもが、
ぶんぶん、うなりをたててみだれ飛び
もろもろの匂いや毒むぎで
花咲き、ふくれ、

忘れさられ、うち捨てられた
牧場さながら。

ぶらぶらと、何もせず、
やぶれさった青春よ、
気むずかしい心くばりで、
おれは生活をだいなしにした。

ああ! すべての心が
抱きあう時よ、来い!

<『ランボオ詩集』ーイルミナシオン─新しい詩と歌 (蒼樹社)>
関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/tb.php/1475-bb06dde4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック