オラドゥールへの平和行進の歌

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 オラドゥールへの平和行進(キャラバン)の歌
                          ルイ・アラゴン/大島博光訳

われらはもう杖に貝殻などをつけて
コンポステラ*へは行かないだろう
新しい聖地へ 新しい祭壇へと
われらはプラカードを掲げてゆく
新しい歌をみんなでうたいながら

血の跡の残ってる場所にむかって
われらの平和行進はすすんでゆく
フランスのなかの傷ぐちは
無関心な人びとに思い出させる
「無垢な子ら**」の虐殺を

息子よりも生き永らえたあなた方
懲罰が完全にくだされるようにと
よるひるいくら祈ってもむだだ
大地がいくら正義を叫んでもむだだ
天はめぐみの雨を降らせてくれない

あなた方の英雄たちの墓のほとりに
愛する人もなく生き残ったお母さん方
オラドゥールの廃墟のうえにも
死刑執行人(ひとごろし)どもの生ける眼にも
おんなじ昼の光が降りそそぐのだ

明日(あす) オラドゥールの揺りかごに
もう むかしのように 二度と
死をまきちらす戦争がないように
世界じゅうで 十億にも近い
心ある人びとが腕を組んだ

平和がついにその水門をひらき
人民がその法を声高く唱えるように
平和行進のわれらはあなたにとどけよう
十字架の代わりに 鳩を
オラドゥール・シュール・グラーヌよ

          一九四九年六月

*訳注 コンポステラ──サン・ジャック・デ・コンポステラはスペイン西北端ガリシア地方にある聖地。ヨーロッパじゅうからキリスト者たちが巡礼してゆく聖地として知られる。
** 「無垢な子ら」の虐殺──ヘロデ王が幼いキリストをなきものとするため、多くの無垢な幼な子を虐殺した故事を、ナチスによる虐殺に重ねたもの。

 <詩集『わが平和行進』(一九四八年 ─ 一九五四年)>


<参照>平和の聖地・オラドゥーについて
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