ランボオ「忍耐」

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 忍 耐

ぼたい樹の明るい枝に、
病んだ角笛の音(ね)は消えいる。
だが、こころの歌はいたるところ、
すぐりの実のように、飛びまわる。
われらの血は身ぬちに笑いさざめき、
見よ、葡萄のつるはからみあう。
空は天使のように美しく、
「青空」と「海」とはとけあう。
おどりゆこう!もしも光に傷ついたら、
おれはこけのうえで死ぬまでだ。

耐えしのんだり、思いわずらうなどと
あたりまえのことだ!そんな苦しみはとるにたらぬ。
おれが、この悲壮な夏の、その運命の車に
おれをしばりつけてもらいたいのだ。
おお「自然」よ、おれはおまえのなかで、
──ああ、ただひとり、空しく!死にたいのだ。
羊飼いでさえ、おかしな話だが、
みんなひとのなかで死ぬんだが。

うつろう「季節」よ、おれをすりへらしてくれ、
自然よ! おまえのなかへ、おれは帰える、
そうして、おれの飢えと渇きを、
どうか、いやし、うるおしてくれ。
おれはもう何ものにも迷わされないのだ、
祖先に、太陽に笑いかけろと、いうが、
おれは何ものにも笑いかけたくない、
この不幸がとき放たれればいいのだ。

<『ランボオ詩集』ーイルミナシオン─新しい詩と歌>
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