黎 明
大島博光休息 の闇影の なほ消えがてに躊躇 へる
朧ろなる森蔭の しみづ湛 へし泉にも睡 もやらず眩 めき夢想 に燃えしわが眼にも
いと仄か あかつきの薄明 は訪るる・・・
ほの白み 茉莉花の窓べの映 へる
死の床にただひとり 死にゆくひとの瞳にも
いと美 し夢つつむ をとめの薔薇の瞼 にも
まどろみと覚醒 との間 に淡く訪るる・・・
されどはや白楊 の高き梢に鳩はきて
いちはやく 葉を揺する朝の微風 にゆあみして咽頭羽根 に紫に 射しいづる太陽 を望みつつ紅 に明けゆける純粋 の時間 を告げうたふ
今ははや熟睡 より女人 も覚めて身を粧 ふ
照り映 る花房 の映 る鏡に微笑 みつつ・・・
(静江への手紙 「光のなかで制作の歓びに浸っているあなたが見えるやうです」に同封されていた詩)
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