ルイズ・ミシェル「囚人の歌」

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 囚人の歌
                ルイズ・ミシェル

ここでは 冬は 影がうすい
ここでは 森は いつも緑だ
涼しいそよ風が 遠い海から
憂欝な砂漠のうえを吹いてくる
なんという静けさであろう
あたりの静けさを破るのは
飛ぶ虫の 羽根の音だけだ

たそがれ 遠い浜べから
ときおり 甘い歌が聞こえてくる
それは 哀れな貝殻たちが
口をひらいて 歌をつぶやくのだ
森のなかでは ばら色の月桂樹や
新たに咲いた 花々が
風の中で 愛の身ぶるいをする

見よ 星影をうつした波よ
この さまよえる白人たちを
船は はてしもない海のうえに
帆をいっぱいに 張っている
明りがともる 夜のなかに
見よ 波のなかから
あの燐の光が 射し出るのを

軽やかな船よ 救いに来い
囚人を その甲板にひきあげよ
いま牢獄で 囚人は息絶える
徒刑場は 死よりも怖ろしい
だがわれらの心に希望は死なぬ
もしも再びフランスに帰れるなら
そうしたら また闘うばかりだ!

いまや 闘いはどこにもある
大気のなかを 「自由」はさまよう
不幸なひとたちの 叫び声が
戦場へとわれらに呼びかける
・・・あけぼのは 暗闇を追い散らし
新しい世界は 立ち上る
血のように赤い地平線に

<『パリ・コミューンの詩人たち』──パリの女たち>

ルイズ・ミシェル
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