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ニカラグア人民とチリ人民への挨拶

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ニカラグア人民とチリ人民への挨拶
                                   大島博光

北アメリカと南アメリカのあいだ
くびれて廊下のようになり こぶが二つあるようなところ

そこに 地図にも小さく色どられて
小さな 小さな ニカラグアがある

だが 国は小さくとも ソモサをうち倒したニカラグア人民の
歌ごえは高い

悪名高い 早射ちガン・マンよ
ニカラグアは 西部劇の舞台ではない

迷彩服を着た ならず者どもの
コントラをニカラグアにけしかけるな

ニカラグアの大地 風 水 森 空を
黒い手で汚すな ふみにじるな

性こりもなく グリーンベレなど送りこむな
もう ヴェトナムの二の舞を演じるな
    *
辺境の山のなか 森のなかで
とうもろこしの薄焼きパンをたべながら

文盲を一掃するために
読み書きの勉強をしながら

一九七九年七月十九日
ソモサをうち倒した勝利の果実を

堅く守り 発展させている
サンディニスタの若者たち

湧きあがる ニカラグア人民の雄叫びに
遠く アンデスがこだまを返えす

ピノチェット打倒の チリ人民のデモの叫びを
独裁者や無法者を追い出す 人民のこだまを叫びを

わたしは見た テレビの画面に
自動小銃を構えた兵隊どもにむかって

堂堂とつめよっている チリの女たちを
連れ去った夫 恋人 子供たちを返えせと

いたいけな十三歳の少女を射ち殺しても
若者に石油をぶっかけて焼き殺しても

英雄たちの顔に銃弾を射ちこんでも
それはやつらの弱さの現われでしかない

どんなにおまえがわるあがきに あがいても
おまえの命運はもう盡きはてているのだ

チリをアメリカの手に売り渡した独裁者に
もう明日の日はない あるのは墓穴ばかり

血を流してもなお闘う英雄的なチリ人民よ
われわれは戦闘的な連帯の挨拶をおくる

(自筆原稿)


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