楡の木かげ
ある朝
サン・マルタンの運河のほとりを
わたしは歩いていた
とある木蔭に
つぎのような標識が立っていた
「一九四四年八月二一日
パリ解放のために華々しく倒れた
シャルル・デュパの記念に
享年二九歳」
その上に垂れていた木の葉のおもしろさにひかれて
通りかかったフランス人にその木の名を尋ねると
ormeという返事がかえってきた
「楡の木」だった
わたしは初めて楡の木を見知ったのだった
レジスタンスの英雄のおかげで
(『大島博光全詩集』)
ある朝
サン・マルタンの運河のほとりを
わたしは歩いていた
とある木蔭に
つぎのような標識が立っていた
「一九四四年八月二一日
パリ解放のために華々しく倒れた
シャルル・デュパの記念に
享年二九歳」
その上に垂れていた木の葉のおもしろさにひかれて
通りかかったフランス人にその木の名を尋ねると
ormeという返事がかえってきた
「楡の木」だった
わたしは初めて楡の木を見知ったのだった
レジスタンスの英雄のおかげで
(『大島博光全詩集』)
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