千曲川

大島博光記念館へようこそ。
長野詩人会議が中心となって建設運動をすすめ、2008年7月にオープンしました。
愛と抵抗を歌った博光の詩の世界にふれていただけます。


一九九二年八月二九日(土)晴 暑い

きょう わたしは
みんなに別れのあいさつをしよう
みんなに さよならを言って歩こう
朝な朝なの散歩道 わたしの眼を慰めてくれた
辻公園の しだれ柳よ
マチス風な大きな葉むれの影を
白壁のうえに落していた トチの木よ
夏の日に 涼しい木蔭を与えてくれた 銀杏の木よ
歩き疲れて腰をおろし
想いにふけり 浮かんだ詩のひときれを書き
白い雲をみやった 道ばたのベンチよ

少しばかり長生きしすぎて
生き残りの悲しさ寂しさ苦しさも味わった
やさしく微笑んでくれたひまわりよ
こまやかな花むれで迎えてくれた萩よ
そうして逆風にひるがえる桜よ
逃げるな きみは逃げるな

(日記1992年8月)

ひまわり